中部電力ミライズ(中電)は、愛知・長野・静岡・岐阜などの中部エリアを中心に、関東・関西エリアでも電力の提供を行っている大手電力会社の1つです。
この記事では、中部電力ミライズにおける低圧電力契約の概要と、低圧電力の電気料金の仕組みを解説。
また、電気料金の節約に効果的な“電力会社・契約プランの見直し”方法も紹介しています。
中部電力ミライズで低圧電力を契約しようとお考えの方や、電気料金の節約方法でお悩みの方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
中部電力ミライズの契約メニューは【従量電灯】と【低圧電力】の2種類
まずは、中部電力ミライズが提供する2種類の低圧電力メニューについて詳しく見ていきましょう。
それぞれのスタンダードプランの料金と、一定の条件下で料金が安くなるお得なプランとの比較などもまとめているので、中部電力ミライズのプラン選びでお悩み方はぜひチェックしてみてください。
電灯契約(低圧電力(従量電灯))
中部電力ミライズの「電灯契約」は、他社の「低圧電力(従量電灯)」プランと同様のものになります。
こちらは一般家庭向けの低圧電力プランで、契約電力によって従量電灯A・B・Cの3種類に分かれています。
以下は従量電灯の中で最も契約電力が大きい「従量電灯C」のスタンダード価格です。
区分 | 料金単価 |
---|---|
基本料金(ひと月1kVAあたり) | 286.00円 |
電力量料金(1kWhあたり) | ~120kWh:21.04円 |
120kWh~300kWh:25.51円 | |
300kWh~:28.46円 |
また中部電力ミライズでは、「とくとくプラン」というお得な契約メニューが用意されています。
中部電力ミライズのとくとくプランの利用条件は以下の2点。
- 契約電力が7kVA以上(スタンダードの従量電灯Cに該当する方)であること
- 2年間の継続利用を行うこと
中部電力ミライズでとくとくプランを契約した場合の料金単価は以下の通りです。
区分 | 料金単価 |
---|---|
基本料金(ひと月1kVAあたり) | 286.00円 |
電力量料金(1kWhあたり) | ~120kWh:21.54円 |
120kWh~300kWh:25.51円 | |
300kWh~:27.03円 | |
特典(ひと月あたり) | 102円割引 |
中部電力ミライズのとくとくプランを契約すると、300kWhを超える部分の電力量料金が1.43円/kWh引き下げられる他、毎月102円の割引を受けられます。
例えば以下の条件で計算した場合、従量電灯Cプランと比較して2年間で約30,900円程度お得です。
- 現在の電気料金が約35,600円/月(従量電灯C・契約容量13kVA・1,170kWh/月)
- 102円割引/月
- 燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まず
- 消費税等相当額10%含む
電力契約(低圧電力(動力))
中部電力ミライズの「電力契約」は、他社の「低圧電力(動力)」プランと同様のものになります。
こちらは業務用エアコンなどを導入している店舗向けの低圧電力プランで、スタンダード価格は以下の通り。
区分 | 料金単価 |
---|---|
基本料金(ひと月1kVAあたり) | 1,144.00円 |
電力量料金(1kWhあたり) | 夏季:17.01円 |
その他:15.46円 |
また中部電力ミライズでは、「ビジとくプラン」というお得な契約メニューが用意されています。
中部電力ミライズのビジとくプランの利用条件は以下の2点。
- 電力契約(低圧電力(動力))を結んでいること
- 2年間の継続利用を行うこと
中部電力ミライズでビジとくプランを契約した場合の料金単価は以下の通りです。
区分 | 料金単価 |
---|---|
基本料金(ひと月1kVAあたり) | 1,144.00円 |
電力量料金(1kWhあたり) | 夏季:17.01円 |
その他:15.46円 | |
特典(700kWhを超える分・ひと月あたり) | 2.04円割引 |
中部電力ミライズのビジとくプランを契約すると、700kWhを超える部分の電力量料金が2.04円/kWh引き下げられます。
例えば以下の条件で計算した場合、電力プランと比較して2年間で約68,500円程度お得です。
- 現在の電気料金が約56,200円/月(低圧電力・契約電力20kW/月・2,100kWh/月)
- 1年間の使用量(夏季・その他季)を1か月あたりとしたもの(力率85%・夏季比率30%)
- 燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まず
- 消費税等相当額10%含む
中部電力ミライズの電気料金の仕組みを解説
中部電力ミライズでは、以下の計算式によって月々の低圧電力の電気料金を算出しています。
<低圧電力の電気料金=基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金>
続いて、低圧電力の電気料金を構成する各料金の概要を見ていきましょう。
基本料金
基本料金は契約電力に基づいて計算される料金で、以下の計算式で金額を求めます。
<基本料金×契約電力>
前述した中部電力ミライズのプランを見て分かるように、一般的には低圧電力(従量電灯)プランの方が基本料金が安い傾向にあります。
なお契約電力の算定方法には以下の2種類があり、任意の方法を選択することが可能です。
主開閉器契約 | メインブレーカーの定格電流値を基に契約電力を求める方法。設置されている電力機器を一度にすべて使うわけではないケースや、日によって使用する機器が異なるケースでお得になりやすい。 |
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負荷設備契約 | 使用する電力機器(契約負荷設備)の総容量に基づいて契約電力を求める方法。24時間体制で全ての電力機器がフル稼働(長時間稼働)状態となるようなケースでお得になりやすい。 |
各算定方法の詳しい計算過程については、別記事「低圧電力の契約容量を計算する方法は?例を用いてわかりやすく解説」で解説しているので、合わせてご参照ください。
電力量料金
電力量料金は月々の電力使用量に基づいて計算される料金で、以下の式で算出します。
<電力量料金単価×使用電力量>
電灯契約(低圧電力(従量電灯))の場合は使用量に応じて3段階、電力契約(低圧電力(動力))の場合は季節によって2パターンの電力量料金単価が設定されています。
電力量料金については低圧電力(動力)プランの方が安い傾向にあるため、基本料金とのバランスを踏まえ、より使用状況に適したプランを選択することが大切です。
燃料費調整額
電気をつくるために必要となる燃料(原油・石炭・LNG(液化天然ガス))は、市場や為替といった外的要因によって常に価格が変動しています。
この価格変動を電気料金に反映させるための仕組みとして「燃料費調整制度」があり、この制度に基づいて計算された料金が「燃料費調整額」です。
燃料費調整額は以下の手順で計算され、毎月の電気料金に自動的に反映されています。
- 火力燃料(原油・石炭・LNG(液化天然ガス))の3ヶ月間の貿易統計価格に基づいた平均燃料価格を算定
- 算定された平均燃料価格(実績)と基準燃料価格を比較
- 平均燃料価格(実績)が基準燃料価格を上回る場合はプラス調整、下回る場合はマイナス調整を行う
各月分の燃料費調整単価は、3ヶ月間の貿易統計価格に基づいて算定され、2ヶ月後の電気料金に反映されます。
中部電力ミライズの最新の燃料費調整単価は以下のページからご確認ください。
https://miraiz.chuden.co.jp/business/electric/contract/fuelcost/unitprice/index.html
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に基づいて電力会社が購入した電気の費用を、賦課金として契約者に負担してもらうための料金です。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度は、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱など)によって発電された電気を電力会社が買い取ることを義務付ける制度です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は経済産業大臣によって定められ、毎年5月分から翌年4月分の電気料金に反映されます。
なお2021年5月から2022年4月までの賦課金単価は3.36円/kWhとなっており、<賦課金単価×電力使用量>で算出された金額が毎月の電気料金に加算されます。
過去の賦課金単価は中部電力ミライズのページから確認できるので、こちらも参考にしてみてください。
https://miraiz.chuden.co.jp/home/electric/contract/renewableenergy/price/index.html
低圧電力をお得に使う方法とは?
ここからは、低圧電力をよりお得に利用するためのポイントについて詳しく見ていきましょう。
まずは電気料金のシミュレーションで現在の利用状況を確認
電気契約を簡単に見直せる方法として、シミュレーションサイトの活用が挙げられます。
シミュレーションサイトに必要事項(契約エリア・利用明細の内容など)を入力するだけで、現在の利用状況と最適化後の料金目安を知ることができます。
問い合わせの前に自分たちで電気料金をチェックしたいという場合は、一度シミュレーションサイトで年間の電気料金を算出してみると良いでしょう。
低圧電力のプラン見直しは【ミナオス】にお任せ!
電力使用量が少ない場合は基本料金、使用量が多い場合は電力量料金の削減を重視するというように、一口に低圧電力のプラン見直しといっても、そのポイントは利用状況によって様々です。
どのように見直しを行えば良いか分からない、またシミュレーションサイトよりも本格的な見直しを実施したいといった場合は、見直し専門の業者へ依頼する方法がおすすめです。
株式会社ミナオスでは、電気料金の見直し・最適化によるコスト削減のご提案を行っています。
ガス・水道料金の見直しなどにも対応しているので、月々の固定費の節約でお悩みの方はぜひ一度ミナオスへお問い合わせください。
まとめ
- 中部電力ミライズには「電灯契約(低圧電力(従量電灯))」と「電力契約(低圧電力(動力))」の2種類の低圧電力プランがある
- 電灯契約の方が電力量料金が高く、また電力契約の方が基本料金が高いため、使用状況に応じてバランスのとれたプランを選択することが大切
- 低圧電力のプラン選び・最適化で迷った場合は、シミュレーションサイトや見直しサービスの活用がおすすめ
中部電力ミライズでは低圧電力の割引が受けられるプランなども提供されていますが、電力使用量によって必ずしもお得にはならないという点に注意が必要です。
また新電力などで契約した方がお得になるケースもあるため、中部電力ミライズ以外の電力会社を視野に入れるのも1つでしょう。