毎月の電気料金を安く抑えるなら、「力率」による料金割引きの仕組みを理解しておくことが大切です。
この記事では、電気料金に含まれる「力率割引」および「力率割増」の仕組みと、低圧電力(動力プラン)における力率の設定・計算方法を解説します。
力率を改善するためのポイントもまとめているので、低圧電力(動力プラン)を契約中の方で、毎月の料金が高いとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
力率とは?
電気料金に含まれる「力率」とは、“皮相電力”に対する“有効電力”の割合を示す値です。
- 皮相電力とは……電気機器を動かすために送り出される電力のこと
- 有効電力とは……実際に消費される電力のこと
例えば、電気機器を動かすために電源から1,000W(100V×10A)の電流が送り出され、その内800Wの電力が実際に消費されたと仮定します。
この場合、100%の皮相電力に対して有効電力が80%であったということになり、「力率80%」と表現します。
なお消費されなかった200Wについては無効電力となり、電気料金の請求対象から除外される仕組みです。
低圧電力(動力プラン)における割引・割増の計算例

続いて、力率を使った電気料金の割引・割増の仕組みと、低圧電力(動力プラン)における具体的な計算方法を見ていきましょう。
力率割引とは
力率割引とは、電力会社が定める基準値よりも高い力率となった場合に、電気料金の基本料金から一定額を割り引くサービスのことです。
前述したように、無効電力(送り出された電力の内、実際には消費されなかった電力)は電気料金の請求対象から除外されるため、無効電力が多いほど電力会社の損失は大きくなります。
そのため、力率割引の制度を設けることで、契約者の方になるべく多くの電力を消費してもらおうという取り組みが行われているのです。(大手電力会社については、北陸電力を除くすべての電力会社で導入)
低圧電力(動力プラン)における力率割引の条件・計算方法
力率の割引・割増率は契約している電力プランによって異なります。
低圧電力(動力プラン)の場合の割引・割増率は以下の通りです。
| 力率85%の場合 | 割引・割増なし |
|---|---|
| 力率85%を上回る場合 | 基本料金を5%割引 |
| 力率85%を下回る場合 | 基本料金を5%割増 |
なお同じ低圧電力でも、一般家庭用の低圧電力(従量電灯プラン)には力率割引がないので注意しましょう。
また力率割引・割増の計算式は以下の通りです。
- 力率(%)=実際に消費された電力(有効電力)÷電源から送り出された電力(皮相電力)
- 割引・割増(円)=基本料金単価(円)×契約電力(kW)×力率(%)
実際に以下の条件で低圧電力(動力プラン)を契約していると仮定し、具体的な力率割引・割増の計算方法を見ていきましょう。
- 電力会社:東京電力
- 契約電力:10kW
- 基本料金:1kWあたり1,122円
力率別の計算例は以下の通りです。
- 力率80%(力率割増5%)の場合:1,122円×10kW×105%(100%+5%)=11,781円
- 力率85%(割引・割増なし)の場合:1,122円×10kW×100%(100%±0%)=11,220円
- 力率90%(力率割引5%)の場合:1,122円×10kW×95%(100%-5%)=10,659円
力率が80%から90%に向上することで、1か月あたり1,122円、1年で見ると13,464円も低圧電力(動力プラン)の基本料金が安くなることが分かります。



高圧電力・特別高圧の場合は?
参考として、高圧電力および特別高圧電力の力率割引・割増の計算方法も紹介します。
高圧電力および特別高圧電力の場合の割引・割増率は以下の通りです。
| 力率85%の場合 | 割引・割増なし |
|---|---|
| 力率85%を上回る場合 | 力率1%が上回るごとに、基本料金を1%割引 |
| 力率85%を下回る場合 | 力率1%が下回るごとに、基本料金を1%割増 |
実際に以下の条件で高圧電力を契約していると仮定し、具体的な力率割引・割増の計算方法を見ていきましょう。
なお高圧電力と特別高圧電力は計算方法が同様のため、ここでは高圧電力の計算例のみを示します。
- 電力会社:東京電力
- 契約電力:200kW(業務用電力)
- 基本料金:1kWあたり1,716円
力率別の計算例は以下の通りです。
- 力率80%(力率割増5%)の場合:1,716円×200kW×105%(100%+5%)=360,360円
- 力率85%(割引・割増なし)の場合:1,716円×200kW×100%(100%±0%)=343,200円
- 力率90%(力率割引5%)の場合:1,716円×200kW×95%(100%-5%)=326,040円
力率が80%から90%に向上することで、1か月あたり34,320円、1年で見ると411,840円も基本料金が安くなります。
低圧電力(動力プラン)の力率を改善する方法



ここからは、低圧電力(動力プラン)の力率を改善し、電気料金を安く抑えるためのコツを見ていきましょう。
進相コンデンサを設置する
低圧電力(動力プラン)の料金を節約する方法として、進相コンデンサを設置するやり方が挙げられます。
進相コンデンサは力率を改善するために設置される機器のことで、進相コンデンサが持つ“進み”の無効電力と電気機器に存在する“遅れ”の無効電力を相殺させることで、全体の無効電力を抑える仕組みとなっています。
コンデンサの設置によって力率が改善されれば、低圧電力(動力プラン)の電気料金が安くなる他、電力設備の損失軽減や電圧の安定性向上といったメリットも期待できるでしょう。



電力会社を見直す
低圧電力(動力プラン)の電気料金を安くするなら、電力会社を見直して、より基本料金や電力量料金の安い電力会社に切り替えるという方法もおすすめです。
現在は電力自由化によって多くの企業が電気事業に参入しており、500社を超える電力会社から自由に契約先を選べるようになっています。
基本料金の安い電力会社や定額プランを提供している電力会社など、様々な特徴を持つ電力会社が存在するため、自社の使用状況を見直して適切な電力会社・プランを選択することが大切です。
とは言え、膨大な電力会社・プランの中から最適なものを見つけだすことは決して簡単ではありません。
そんなときは、電気契約の見直しや適正化を専門に行っているプロの見直し業者へ相談するのがおすすめです。
株式会社ミナオスでは、電気をはじめガスや水道などの幅広い固定料金の見直し・適正化を実施しています。
固定料金の見直しによって大幅なコスト削減も実現可能ですので、低圧電力(動力プラン)の料金を節約したいとお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ
- 力率とは、送り出された電力と実現に消費された電力の差を示す値のこと
- 力率が高いほど無駄な電力が少ないということになり、契約者・電力会社の双方にとってメリットがある
- 低圧電力(動力プラン)の力率を改善するには、コンデンサの設置や電力会社の見直しといった方法がある
力率を改善することで低圧電力(動力プラン)の電気料金を大きく節約できるため、電気料金が高いとお悩みの方はコンデンサの設置や電力会社の見直しによる力率改善に取り組んでみることをおすすめします。
自社にとって最適な電力会社・プランを知りたいという場合は、電気料金の見直し・適正化を専門とするミナオスまでお問い合わせください。














