託送制度の変更や燃料調整費の高騰等を受け、東京電力は従量電灯プランの料金見直しを発表しました。
この記事では、東京電力の従量電灯プランの新料金と、節約のポイントを解説します。
おすすめの新電力も紹介しているので、東京電力エリアで従量電灯プランを契約中の方はぜひ参考にしてみてください。
託送制度変更に伴う従量電灯プランの料金見直しについて
まずは、託送制度変更に伴う東京電力の従量電灯プランの料金見直しについて、その背景と新単価一覧を見ていきましょう。
見直しの概要
東京電力の従量電灯プランの料金が見直されることとなった背景には、託送料金の値上げがあります。
託送料金とは、電気を送るために利用する送配電設備の利用料金のことで、この託送料金に関する新たな制度(レベニューキャップ制度)の全国的な導入に伴って料金の値上げが発表されました。
レベニューキャップ制度は、一般送配電事業者が様々な環境の変化に対応する目的で電力設備の強靭化等を行う際に、必要な投資の確保とコスト効率化を両立させるために導入された制度です。
この託送制度の変更に伴う値上げは2023年4月1日から反映される予定となっており、東京電力で従量電灯プランを契約している全ての方が対象となります。
新単価一覧(2023年4月1日~)
託送制度の変更に伴って、東京電力の従量電灯プランはそれぞれ以下のように料金改定されます。
低圧電力(従量電灯A)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) |
---|---|---|---|
最低料金(最初の8kWhまで) | 1契約 | 235.84円 | 240.72円 |
電力量料金(上記を超える) | 1kWh | 19.88円 | 19.91円 |
低圧電力(従量電灯B)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 286.00円 | 295.24円 |
15A | 〃 | 429.00円 | 442.86円 | |
20A | 〃 | 572.00円 | 590.48円 | |
30A | 〃 | 858.00円 | 885.72円 | |
40A | 〃 | 1,144.00円 | 1,180.96円 | |
50A | 〃 | 1,430.00円 | 1,476.20円 | |
60A | 〃 | 1,716.00円 | 1,771.44円 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 | 19.91円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 〃 | 26.48円 | 26.51円 | |
300kWh超過分 | 〃 | 30.57円 | 30.60円 |
低圧電力(従量電灯C)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | – | 1kVA | 286.00円 | 295.24円 |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 | 19.91円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 〃 | 26.48円 | 26.51円 | |
300kWh超過分 | 〃 | 30.57円 | 30.60円 |
燃料調整費の高騰に伴う従量電灯プランの料金見直しについて
続いて、燃料調整費の高騰に伴う東京電力の従量電灯プランの料金見直しについて、その背景と新単価一覧を見ていきましょう。
見直しの概要
近年は以下の理由から燃料調整費(電力の原材料の価格変動に応じて加減される料金)が高騰傾向にあります。
- 円安による輸入額の高騰
- ロシア・ウクライナ問題に伴う供給減
- 脱炭素化に向けた世界的なLNGの需要増
- コロナ禍による経済の停滞 等
東京電力はこの状況を踏まえ、経済産業大臣へ従量電灯プランの見直し申請を行いました。
この申請は2023年6月度以降に反映される見込みですが、現在は申請当初と比較して燃料調整費が下落していることもあり、東京電力からは料金の再算定等も発表されています。
新単価一覧(2023年6月1日~)
燃料調整費の高騰に伴い、東京電力の従量電灯プランの新単価は以下のように値上げされる見通しです。
※以下は特定小売供給約款に基づく料金単価に、2023年1月分の燃料調整費を加算した単価です。
※以下の単価は再算定前のものとなるため、最終的な料金は以下から変更となる可能性があります。
※以下の単価には、レベニューキャップ制度の導入に伴う託送料金の見直し分は含まれていません。
低圧電力(従量電灯A)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) |
---|---|---|---|
最低料金(最初の7kWhまで) | 1契約 | 276.88円 | 355.52円 |
電力量料金(上記を超える) | 1kWh | 25.01円 | 34.84円 |
低圧電力(従量電灯B)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 286.00円 | 286.00円 |
15A | 〃 | 429.00円 | 429.00円 | |
20A | 〃 | 572.00円 | 572.00円 | |
30A | 〃 | 858.00円 | 858.00円 | |
40A | 〃 | 1,144.00円 | 1,144.00円 | |
50A | 〃 | 1,430.00円 | 1,430.00円 | |
60A | 〃 | 1,716.00円 | 1,716.00円 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 25.01円 | 34.84円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 〃 | 31.61円 | 41.44円 | |
300kWh超過分 | 〃 | 35.70円 | 45.53円 |
低圧電力(従量電灯C)
区分 | 単位 | 旧単価 | 新単価(2023年4月以降) | |
---|---|---|---|---|
基本料金 | – | 1kVA | 286.00円 | 286.00円 |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 25.01円 | 34.84円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 〃 | 31.61円 | 41.44円 | |
300kWh超過分 | 〃 | 35.70円 | 45.53円 |
東京電力エリアでお得に電気を使用する方法
ここからは、東京電力エリアでお得に従量電灯プランを契約するためのポイントを解説していきます。
電気料金が安いおすすめの新電力も紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。
家庭での一般的な節電ポイント
従量電灯プランの料金を節約するための基本的な取り組みとして、以下のような方法が挙げられます。
電気代の節約ポイント | 具体策 |
---|---|
待機電力を減らす | 使っていない家電製品のコンセントを抜く 等 |
電化製品の手入れ | エアコンフィルターの掃除 等 |
設定温度の調整 | エアコンの設定温度を環境省の推奨値に合わせる(冷房28度・暖房20度) 等 |
古い家電の買い替え | 電力消費の激しい旧式家電から、節約を意識したエコ家電に買い替える 等 |
契約中の電力会社・プランを見直す
従量電灯プランの利用料金を根本から安くしたい場合は、現在の契約会社・プランの見直しが効果的です。
以前は東京電力をはじめとする各地域の大手電力会社が契約を独占していましたが、現在は電力自由化によって新電力会社が多数参入し、豊富な電力会社・プランから自由に契約先を選べるようになりました。
新電力会社が提供する多彩なプランを活用することで、電気料金の節約やポイント還元による利便性向上等を見込めるでしょう。
電気料金が安いおすすめの新電力【PinTでんき】
数ある新電力の中でおすすめしたいのが、東京電力のグループ会社が運営する新電力「PinTでんき」です。
PinTでんきは、従量電灯プランの電力量料金単価が一定になっている点が大きな特徴で、電気使用量の上下が大きい場合でも電気料金の変動を比較的抑えられるというメリットがあります。
またPinTでは「PinTでんき」および「PinTガス」、「TEPCOひかり」(インターネット接続サービス)の3つのサービスを提供しており、それぞれの契約内容に応じて以下のポイントを受け取ることができます。
サービス料金合計額 | ポイント率 |
---|---|
5,000円までの100円につき | 1pt |
5,000円をこえ20,000円までの100円につき | 3 pt |
20,000円をこえ50,000円までの100円につき | 5 pt |
50,000円をこえる100円につき | 7 pt |
例えばサービス料金の合計が30,000円の場合は1,000pt(5,000円×1%+15,000円×3%+10,000円×5%)が還元され、このポイントを利用してサービス料金の割引を行うことが可能です。
東京電力エリアで従量電灯プランをより安く契約したい場合は、ぜひPinTでんきまでお問い合わせください。
東京電力の新料金単価と節約のポイントまとめ
- 東京電力の従量電灯プランは、託送制度の変更によって2023年4月から値上げされる見通しとなっている
- 燃料価格の高騰等もあり、2023年6月以降は従量電灯プランの料金が更に値上げされる可能性もある
- 東京電力エリアをカバーする新電力会社に切り替えることで、料金の大幅な節約が見込める
従量電灯プランの値上げは東京電力に限らず、全国の大手電力会社でも同様の傾向となっています。
燃料価格の変動次第では更なる値上げも考えられるため、早い段階で契約の確認と見直しを行い、値上げの影響を抑えられるように準備していきましょう。