低圧電力(従量電灯・動力)の電気料金はどこでも同じというわけではなく、地域や契約内容によって高い・安いという違いがあります。
この記事では、低圧電力(従量電灯・動力)を構成する「基本料金」と「電力量料金」の仕組みを解説します。
エリア別の単価一覧や、電気料金が安いおすすめの新電力も紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
低圧電力プランの電気料金の仕組み
低圧電力プランの電気料金は基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再生エネルギー発電促進賦課金から構成されており、中でも料金の大部分を占めるが基本料金と電力量料金の2種類です。
まずは東京電力の低圧電力プランを参考にして、基本料金と電力量料金の仕組み・計算方法を見ていきましょう。
なおここではどちらが安いのか分かりやすいように、電力使用量が多い方向けの「低圧電力(従量電灯C)」と「低圧電力(動力)」の2つのプランを紹介します。(従量電灯と動力の違いは後述)
基本料金
基本料金とは、契約電力に基づいて計算される料金のことです。
使用量が0kWhの場合は基本料金が半額になるという措置がとられている電力会社もありますが、基本的には毎月固定の金額が請求されます。
低圧電力(従量電灯C)
低圧電力(従量電灯C)における基本料金の計算方法は以下の通りです。
<基本料金=基本料金単価×契約電力>
東京電力の低圧電力(従量電灯C)の基本料金単価は286円/kVAのため、例えば契約電力が10kVAの場合の基本料金は2,860円(286円×11kVA)となります。
低圧電力(動力)
低圧電力(動力)における基本料金の計算方法は以下の通りです。
<基本料金=基本料金単価×契約電力×力率>
東京電力の低圧電力(動力)の基本料金単価は1,122円/kWのため、例えば契約電力10kW・力率90%(力率割引5%)の場合の基本料金は10,659.00円(1,122円×10kW×95%)となります。
基本料金については、低圧電力(動力)よりも低圧電力(従量電灯)の方が安いことが分かります。
※力率……電源から出た電力のうち、実際に消費された電力の割合のことで、基準値(85%)を上回った場合は1%ごとに割引、下回った場合は1%ごとに割増となる
電力量料金
電力量料金とは、月々の電気使用量に基づいて計算される料金のことです。
電気を使用した月に使用した分だけの請求が行われる仕組みで、以下の計算式で求められます。
<単価×使用量>
低圧電力(従量電灯C)
東京電力の低圧電力(従量電灯C)における電力量料金単価は、電気使用量によって以下の通り3段階に分かれます。
料金単価(1kWhあたり) | |
---|---|
最初の120kWhまで | 19.88円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.48円 |
300kWh超過分 | 30.57円 |
例えば1ヶ月の電気使用量が1,000kWhだった場合の電力量料金は以下の通りです。
- 19.88×120kWh=2,385.60円
- 26.48×180kWh=4,766.40円
- 30.57×700kWh(=1,000kWh-120kWh-180kWh)=21,399.00円
- 2,385.60円+4,766.40円+21,399.00円=28,551.00円
低圧電力(動力)
東京電力の低圧電力(動力)における電力量料金単価は、季節によって以下の通り2種類に分かれます。
料金単価(1kWhあたり) | |
---|---|
夏季(7月1日~9月30日) | 17.37円 |
その他 | 15.80円 |
例えば2月の電気使用量が1,000kWhだった場合の電力量料金は以下の通りです。
- 15.80×1,000kWh=15,800.00円
電力量料金については、低圧電力(従量電灯)よりも低圧電力(動力)の方が安いことが分かります。
参照: https://www.tepco.co.jp/press/release/2023/pdf1/230123j0402.pdf
低圧電力プランの基本料金が安いのはどこ?エリア別の単価をチェック
続いて、国内の大手電力会社における低圧電力プランの料金比較をチェックしていきましょう。
なおここでもどちらが安いのか分かりやすいように、電力使用量が多い方向けの「低圧電力(従量電灯C)」と「低圧電力(動力)」の2つのプランを紹介します。
家庭向け低圧電力【従量電灯】
低圧電力(従量電灯)は主に一般家庭で利用される電力プランで、基本料金が安い一方、電力量料金が高くなりやすい点が特徴です。
大手電力会社における低圧電力(従量電灯C)の基本料金および電力量料金単価は以下の通りです。(※2023年6月以降)
基本料金 | 電力料金(1kWhあたり) | |
---|---|---|
北海道電力 | 374円 | 38.82円(~120kWh)/46.61円(120~280kWh)/50.80円(280kWh~) |
東北電力 | 385円 | 31.79円(~120kWh)/38.68円(120~280kWh)/42.89円(280kWh~) |
東京電力 | 286円 | 34.84円(~120kWh)/41.44円(120~300kWh)/45.53円(300kWh~) |
中部電力 | 297円 | 21.33円(~120kWh)/25.80円(120~300kWh)/28.75円(300kWh~) |
九州電力 | 297円 | 17.46円(~120kWh)/23.06円(120~300kWh)/26.06円(300kWh~) |
法人向け低圧電力【動力】
低圧電力(動力)は主に小規模の店舗や町工場等で利用される電力プランで、基本料金が高く電力量料金が安いというのが特徴です。
大手電力会社における低圧電力(動力)の基本料金および電力量料金単価は以下の通りです。(※2023年6月以降)
基本料金 | 電力料金(1kWhあたり) | |
---|---|---|
北海道電力 | 1.343.10円 | 32.89円(通年) |
東北電力 | 1,323.30円 | 29.29円(夏季)/27.84円(その他) |
東京電力 | 1,122.00円 | 32.33円(夏季)/30.76円(その他) |
中部電力 | 1,178.74円 | 17.09円(夏季)/15.54円(その他) |
九州電力 | 1,012.00円 | 17.12円(夏季)/15.43円(その他) |
低圧電力(従量電灯)と低圧電力(動力)のいずれも、北海道や東北等の寒いエリアの方が単価が高く、中部や九州等の温暖なエリアの方が単価が安い傾向にあります。
基本料金の安い電力会社なら【PinTでんき】がおすすめ
寒いエリアでも安い料金で低圧電力を使用したいという場合は、電力会社を見直してみることをおすすめします。
以前は各地域の大手電力会社が契約を独占していましたが、電力自由化によって新電力会社が多数参入した現在は、豊富な電力会社・プランから自由に契約先を選べるようになりました。
数ある新電力の中でおすすめしたいのが、東京電力のグループ会社が運営する新電力「PinTでんき」です。
PinTでんきは、低圧電力における電力量料金単価が一定になっている点が大きな特徴で、電気使用量の上下が大きい場合でも安い電気料金を維持しやすいというメリットがあります。
またPinTでは「PinTでんき」および「PinTガス」、「TEPCOひかり」(インターネット接続サービス)の3つのサービスを提供しており、それぞれの契約内容に応じて以下のポイントを受け取ることができます。
サービス料金合計額 | ポイント率 |
---|---|
5,000円までの100円につき | 1pt |
5,000円をこえ20,000円までの100円につき | 3 pt |
20,000円をこえ50,000円までの100円につき | 5 pt |
50,000円をこえる100円につき | 7 pt |
例えばサービス料金の合計が30,000円の場合は1,000pt(5,000円×1%+15,000円×3%+10,000円×5%)が還元され、このポイントを利用して基本料金の割引を行うことが可能です。
より安い料金で低圧電力を使用したい場合は、ぜひPinTでんきへの切り替えをご検討ください。
記事まとめ
- 低圧電力(従量電灯)は電力量料金が高く、基本料金が安い傾向にある
- 低圧電力(動力)は基本料金が高く、電力量料金が安い傾向にある
- 寒いエリアは基本料金・電力量料金のどちらも高くなりやすいため、安い料金で使用したい場合は新電力等への切り替えがおすすめ
近年は燃料費調整額の高騰等により、全国的に電気料金が値上げされる見込みとなっています。
値上げ後も安い電気料金を維持するためにも、早めに契約会社・プランの見直しを行うようにしましょう。