低圧電力(従量電灯・動力)の電気料金は、契約容量・契約電力の値によって変動します。
この記事では、低圧電力の契約容量・契約電力の算定方法と、電気料金を節約するためのポイントを解説します。
低圧電力の電気料金が高いと感じている方や、プランの見直しを検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
【負荷設備契約】低圧電力の契約容量・契約電力の算定方法

低圧電力の契約容量・契約電力の決定方法には「負荷設備契約」と「主開閉器契約」の2種類があり、どちらを選択するのかによって最終的な電気料金に違いが出てきます。
まずは、負荷設備契約の概要と、負荷設備契約で低圧電力を使用する場合の契約容量・契約電力の算定方法について詳しく見ていきましょう。
なおここでは、電力使用量が多い家庭・商店向けに提供されている「低圧電力(従量電灯C)」および「低圧電力(動力)」の2つのプランで計算方法を解説していきます。
負荷設備契約とは
負荷設備契約は、使用する電力機器(契約負荷設備)の総容量に基づいて契約容量・契約電力を算定する方式です。
実際の稼働頻度や使用電力量に関わらず、電力機器の容量の最大値によって契約容量が決まるため、以下のようなケースで適した契約方法と言えます。
- 24時間体制で全ての電力機器がフル稼働(長時間稼働)状態となる
契約容量の算定方法【低圧電力(従量電灯C)】
負荷設備契約で低圧電力(従量電灯C)を使用する場合、使用する電灯・小型機器(契約負荷設備)の総容量に以下の係数を乗じることで契約容量を求めます。
| 最初の6kVAにつき | 95% |
|---|---|
| 次の14kVAにつき | 85% |
| 次の30kVAにつき | 75% |
| 50kVAをこえる部分につき | 65% |
例えば、電灯・小型機器(契約負荷設備)の総容量を25kVAとした場合の計算式は以下の通りです。
6kVA×95%=5.7kVA
14kVA×85%=11.9kVA
5kVA×75%=3.75kVA
5.7kVA+11.9kVA+3.75kVA=21.35kVA
小数点以下第一位は四捨五入するため、この場合の契約容量は21kVAとなります。
契約電力の算定方法【低圧電力(動力)】
負荷設備契約で低圧電力(動力)を使用する場合は、入力換算・台数圧縮・容量圧縮という3ステップにわたって契約電力を計算する必要があります。
ここでは、以下の動力機器を使用していると仮定して計算方法を見ていきましょう。
| 出力6.5kW | モーター | 2台 |
| 出力5.5kW | ヒーター | 1台 |
ステップ①入力換算
使用する動力機器(契約負荷設備)が出力表示のみとなっている場合は、以下の換算率を用いて入力容量に換算します。
| モーター(馬力) | 93.3% |
|---|---|
| モーター(kW) | 125% |
| ヒーター | 100% |
出力6.5kWのモーターが2台、出力5.5kWのヒーターが1台と仮定した場合の入力換算後の契約電力は以下の通りです。
6.500W×125%=8,125W ×2
5,500W×100%=5,500W
ステップ②台数圧縮
続いて、動力機器の入力容量が大きいものから順に以下の係数を乗じ、その後全ての値を合計します。
| 最初の2台の入力につき | 100% |
|---|---|
| 次の2台の入力につき | 95% |
| 上記以外のものの入力につき | 90% |
今回の例で計算した場合の台数圧縮後の契約電力は以下の通りです。
8,125W×100%=8,125W ×2
5,500W×95%=5,225W
8,125W+8,125W+5,225W=21,475W
容量圧縮
台数圧縮後の値に以下の係数を乗じて得た値が最終的な契約電力となります。
| 最初の6kWにつき | 100% |
|---|---|
| 次の14kWにつき | 90% |
| 次の30kWにつき | 80% |
| 50kWをこえる部分につき | 70% |
今回の例で計算した場合の容量圧縮後の契約電力は以下の通りです。
21,475W÷1,000=21.475kW
6kW×100%=6kW
14kW×90%=12.6kW
1,475kW×80%=1.18kW
6kW+12.6kW+1.18kW=19.78kW
小数点以下第一位は四捨五入するため、この場合の契約容量は20kWとなります。
【主開閉器契約】低圧電力の契約容量・契約電力の算定方法



続いて、主開閉器契約の概要と、主開閉器契約で低圧電力を使用する場合の契約容量・契約電力の算定方法について詳しく見ていきましょう。
主開閉器契約とは
主開閉器契約は、主開閉器(メインブレーカー)の定格電流に基づいて契約容量・契約電力を算定する方式です。
電力機器の総容量に関わらず、実際の稼働時に流れる電力量によって契約容量が決まるため、以下のようなケースで適した契約方法と言えます。
- 複数の電力機器が設置されているものの、一度にすべての機器を使用することはない
- 日によって使用する電力機器が異なる・不稼働の機器が多い
契約容量の算定方法【低圧電力(従量電灯C)】
主開閉器契約における低圧電力(従量電灯C)の契約容量の計算方法は以下の通りです。
契約容量(kVA)=契約主開閉器の定格電流(A)×電圧(V)×1/1,000
例えば、定格電流75A・電圧200Vとした場合の計算式は以下のようになります。
75A×200V×1/1,000=15kVA
負荷設備契約の場合の契約容量が21kVAであったことから、今回の例では主開閉器契約の方が契約容量を抑えられるということになります。
契約電力の算定方法【低圧電力(動力)】
主開閉器契約における低圧電力(動力)の契約電力の計算方法は以下の通りです。
契約容量(kW)=契約主開閉器の定格電流(A)×電圧(V)×1.732×1/1,000
例えば、定格電流50A・電圧200Vとした場合の計算式は以下のようになります。
50A×200V×1.732×1/1,000=17.32kW
負荷設備契約の場合の契約電力が20kWであったことから、今回の例では主開閉器契約の方が契約容量を抑えられるということになります。
電気料金を抑えるためのポイント



ここからは、低圧電力の電気料金を安く抑えるためのコツ・ポイントについて詳しく見ていきましょう。
契約容量・契約電力を見直す
単身赴任や子どもの独立といった理由から一時的・恒久的に世帯人数が変化する場合は、新たな世帯人数に合わせて契約容量・契約電力の見直しを行うのがおすすめです。
例えば東京電力の低圧電力(従量電灯C)では、1kVAあたり286.00円が基本料金の単価となっているため、契約容量を1kVA落とすだけで毎月286円(年間3,432円)の節約が可能となります。
世帯人数が変化したあとも電気契約がそのままになっている場合は、無駄な電気代を支払っている可能性が高いため、一度契約容量・契約電力を見直してみると良いでしょう。
電子ブレーカーに切り替える(主開閉器契約の場合)
主開閉器契約で低圧電力を使用する場合は、電子ブレーカーへの切り替えもおすすめです。
通常は電力使用量が規定値を超過すると即座にブレーカーが落ちますが、電子ブレーカーの場合は別途超過の許容範囲が定められており、わずかな超過であればブレーカーが落ちない仕組みとなっています。
これにより、停電防止等の目的であえて契約容量・契約電力を大きく設定するといった必要がなくなり、適切な契約容量・契約電力で低圧電力を使用することが可能となります。
新電力会社に契約を切り替える
現在、大手電力会社で低圧電力を契約している場合は、新電力会社への切り替えも検討してみると良いでしょう。
新電力会社は2016年の電力自由化以降に電気事業へ参入した企業のことで、大手電力会社と比較して料金が安かったり、プランの種類が充実していたりするのが特徴です。
新電力会社に契約を切り替えるだけで大幅に電気料金を節約できる可能性もあるため、何年も電気契約を見直していないという方は、この機会に確認してみることをおすすめします。



まとめ



- 低圧電力の契約容量・契約電力の算定方法には「主開閉器契約」と「負荷設備契約」の2種類がある
- 設置機器がフル稼働となるようなケースを除き、通常は主開閉器契約の方が契約容量・契約電力を抑えやすい
- 契約容量・契約電力の見直しや新電力会社への切り替え等で電気料金を節約できる可能性がある
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