中国電力は、中国エリア(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)を中心に電力の供給を行っている大手電力会社の1つです。
この記事では、電気料金の基本的な計算方法と、中国電力の低圧電力メニューについて解説。
低圧電力を安く利用する方法などもまとめているので、現在中国電力で低圧電力を契約している方で、毎月の電気料金が高いとお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
中国電力の電気料金はどう決まる?
中国電力では、以下の計算式によって月々の低圧電力の電気料金が計算されています。
<低圧電力の電気料金=基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金>
まずは、電気料金に含まれる各料金の概要と計算方法について詳しく見ていきましょう。
基本料金
基本料金は契約電力に基づいて計算される料金で、毎月支払いが必要となる部分です。
中国電力では、1ヶ月間全く電気を使用しなかった場合に基本料金が半額になるという措置がとられていますが、それ以外の場合は基本的に毎月固定の料金がかかります。
基本料金の計算に用いる契約電力は、以下の2つの方法から任意で選択することが可能となっており、どちらを選ぶかによって低圧電力の電気代が異なります。
主開閉器契約
メインブレーカーの定格電流値を基に契約電力を求める方法。
設置されている電力機器を一度にすべて使うわけではないケースや、日によって使用する機器が異なるケースでお得になりやすい。
負荷設備契約
使用する電力機器(契約負荷設備)の総容量に基づいて契約電力を求める方法。
24時間体制で全ての電力機器がフル稼働(長時間稼働)状態となるようなケースでお得になりやすい。
それぞれの契約方法の詳しい計算過程については、別記事「低圧電力の契約容量を計算する方法は?例を用いてわかりやすく解説」をご参照ください。
電力量料金
電力量料金は月々の電力使用量に基づいて計算される料金で、電気を使用した月に支払いが必要となる部分です。
低圧電力(従量電灯)の場合は使用量に応じて3段階、低圧電力(動力)の場合は季節によって2パターンの電力量料金単価が設定されており、単価と使用量をかけ算することで料金を求めます。
中国電力の料金プランについては次章で詳しく紹介しているので、そちらもチェックしてみてください。
燃料費調整額
燃料費調整額とは、電力の原材料の価格変動に対応するために、電気代に組み込まれている料金のことです。
「燃料費調整制度」という制度に基づいて計算されており、火力燃料(原油・石炭・LNG(液化天然ガス))の価格変動に応じて、毎月自動的に電気料金の調整が行われています。
燃料費調整額の計算方法は以下の通りです。
- 火力燃料(原油・石炭・LNG(液化天然ガス))の3ヶ月間の貿易統計価格に基づいた平均燃料価格を算定
- 算定された平均燃料価格(実績)と基準燃料価格を比較
- 平均燃料価格(実績)が基準燃料価格を上回る場合はプラス調整、下回る場合はマイナス調整を行う
各月分の燃料費調整単価は、3ヶ月間の貿易統計価格に基づいて算定され、2ヶ月後の電気料金に反映されます。
中国電力の基準燃料価格は26,000円/klであるため、燃料費調整単価の計算式は以下のようになります。
- 平均燃料価格が基準燃料価格を上回る場合:燃料費調整単価=(平均燃料価格/kl-26,000円/kl)×基準単価/1,000
- 平均燃料価格が基準燃料価格を下回る場合:燃料費調整単価=(26,000/kl-平均燃料価格/kl)×基準単価/1,000
中国電力の最新の燃料費調整単価は以下のページからご確認ください。
燃料費等調整制度のご案内〔中国電力エリア〕|中国電力 燃料費等調整制度について紹介します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
電力会社は、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」という制度により、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱など)から発電された電気の買い取りが義務付けられています。
そして、その買い取りにかかった費用を、電気料金の一部として契約者に負担してもらうための仕組みが「再生可能エネルギー発電促進賦課金」です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は経済産業大臣によって定められ、毎年5月分から翌年4月分の電気料金に反映されます。
2022年5月から2023年4月までの賦課金単価は3.45円/kWhとなっており、<賦課金単価×電力使用量>で算出された金額が毎月の電気料金に加算される仕組みです。
過去の賦課金単価は以下のページから確認できるので、こちらも参考にしてみてください。
電気料金の早見表・単価表|中国電力 個人のお客さま向けの料金メニューをご案内します。
中国電力の低圧電力(従量電灯・動力)メニューをチェック
続いて、中国電力から提供されている低圧電力の料金プランを見ていきましょう。
ここでは例として、電力使用量が多い方向けに用意されている「低圧電力(従量電灯B)」と「低圧電力(動力)」の2つのプランをご紹介します。
低圧電力(従量電灯B)の場合
低圧電力(従量電灯B)プランは、電気機器の契約容量が6kVA以上であり、かつ50kVA未満の方に適用されるプランです。
主に商店・事務所・飲食店など、一般家庭と比較して電力の消費量が大きいケースで契約されています。
基本料金
中国電力の低圧電力(従量電灯B)プランの基本料金は以下の計算方法で算出します。
<基本料金=基本料金単価×契約電力>
中国電力における低圧電力(従量電灯B)プランの基本料金単価は407円/kVAのため、例えば契約電力が10kVAの場合は407円×10kVAとなり、基本料金は4,070円です。
電力量料金
中国電力の低圧電力(従量電灯B)プランの電力量料金単価は、電気の使用量に応じて以下の3段階に分かれます。
料金単価(1kWhあたり) | |
最初の120kWhまで | 18.07円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 24.16円 |
300kWh超過分 | 26.03円 |
例えば1ヶ月の電気使用量が1,000kWhだった場合の電力量料金は以下の通りです。(ここでは燃料費調整額を考慮していません)
18.07×120kWh=2,168.40円
24.16×180kWh=4,348.80円
26.03×700kWh(=1,000kWh-120kWh-180kWh)=18,221.00円
2,168.40円+4,348.80円+18,221.00円=24,738.20円
低圧電力(動力)の場合
低圧電力(動力)プランは、契約容量が50kW未満の方に適用されるプランです。
業務用の冷蔵庫やエアコンを使用する場合は低圧電力(動力)プランを契約します。
基本料金
中国電力の低圧電力(動力プラン)の基本料金は以下の計算方法で算出します。
<基本料金=基本料金単価×契約電力×力率>
中国電力における低圧電力(動力プラン)の基本料金単価は1,111円/kWのため、例えば契約電力10kW・力率90%(力率割引5%)の場合、1,111円×10kW×95%となり、基本料金は10,554.50円です。
※力率……電源から出た電力のうち、実際に消費された電力の割合のことで、基準値(85%)を上回った場合は1%ごとに割引、下回った場合は1%ごとに割増となる
電力量料金
中国電力の低圧電力(動力プラン)の電力量料金単価は、季節に応じて以下の2種類に分かれます。
料金単価(1kWhあたり) | |
夏季(7月1日~9月30日) | 15.01円 |
その他 | 13.72円 |
例えば2月の電気使用量が1,000kWhだった場合の電力量料金は以下の通りです。(ここでは燃料費調整額を考慮していません)
15.01×1,000kWh=15,010.00円
契約の見直しで低圧電力をお得に利用しよう
ここからは、低圧電力の各プラン(従量電灯B・動力)の比較と、低圧電力をお得に契約するためのポイントを解説していきます。
従量電灯と動力プランの比較
前章の計算結果を基に2つの低圧電力プランを比較すると、
- 低圧電力(従量電灯B):基本料金4,070円+電力量料金24,738.20円=28,808.2円
- 低圧電力(動力):基本料金10,554.50円+電力量料金15,010円=25,564.5円
となり、低圧電力(動力)の方が低圧電力(従量電灯B)よりも10%以上安くなることが分かります。(燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金は考慮せず)
利用状況によって必ずしも低圧電力(動力)の方が安くなるわけではないものの、電力消費量が多い場合は従量電灯から動力プランに切り替えるのも1つと言えるでしょう。
新電力への切り替えで料金が安くなるかも?
現在は電力自由化によって電力会社の価格競争が勢いを増しており、中国電力のような大手電力会社から新電力に切り替えることで、電気料金が安くなるケースも増えています。
基本料金が中国電力の半額程度に設定されている新電力や、定額制のプランを用意している新電力も少なくないため、中国電力を契約中の方は一度新電力への変更も検討してみると良いでしょう。
電気契約を見直す際は、契約切り替え後の料金をシミュレーションできるサービスの活用が便利です。
また電気料金の見直し・最適化を専門に行っているプロの業者に相談してみるのもおすすめ。
当メディアを運営する「株式会社ミナオス」では、電気料金の見直しによる費用削減のご提案を行っています。
ガス代や水道代の見直し相談にも対応しているので、毎月の固定費でお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ「まずは【ミナオス】までご相談ください」
- 中国電力の低圧電力は<基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金>という計算式で料金が算定される
- 低圧電力(従量電灯)と低圧電力(動力)のどちらを契約するかによって、基本料金や電力量料金が異なる
- 中国電力の電気料金が高いと感じる場合は、新電力への切り替えを踏まえた見直しの実施がおすすめ
ミナオスでは、電気代をはじめ、ガス代・水道代・固定資産税など各種固定費の最適化提案を実施しています。
固定費を見直すだけでも大幅なコスト削減が可能ですので、中国電力を契約中の方で、現在の料金に不満をお持ちの方はぜひ一度お問い合わせください。