低圧電力の契約容量を計算する方法は?例を用いてわかりやすく解説
低圧電力の契約容量を計算する方法は?例を用いてわかりやすく解説
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低圧電力の契約容量を計算する方法は?例を用いてわかりやすく解説

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電力会社から提供されている電力プランの1つとして、低圧電力(動力プラン)というものがあります。

この低圧電力(動力プラン)の契約容量の決め方には「主開閉器契約」「負荷設備契約」の2種類があり、どちらで契約しているかによって基本料金などにも違いが出てきます。

この記事では、それぞれの契約方法の特徴と契約容量の決め方、また具体的な計算方法などを解説。

どちらの契約方法を選ぶべきかといった点も紹介しているので、低圧電力の契約を予定している方や、すでに低圧電力を利用していて契約方法の見直しを考えているという方はぜひ参考にしてみてください。

低圧電力の契約容量の決定方法は2種類!

低圧電力の契約容量の決定方法は2種類!

低圧電力の契約電力・契約容量の決め方には、「主開閉器契約」と「負荷設備契約」の2種類があります。

まずは、低圧電力(動力プラン)を契約する際に選択が必要となる契約容量の決め方について見ていきましょう。

主開閉器契約(ブレーカー)

主開閉器契約とは、メインブレーカー(契約主開閉器)の定格電流値に基づいて契約電力を算定する方式です。

電力機器の容量に関わらず、実際の稼働時に流れる電力量によって契約容量が決まるため、以下のようなケースで適した契約方法となります。

  • 複数の電力機器が設置されているものの、一度にすべての機器を使用することはない
  • 日によって使用する電力機器が異なる・不稼働の機器が多い

負荷設備契約

負荷設備契約とは、使用する電力機器(契約負荷設備)の総容量に基づいて契約電力を算定する方式です。

実際の稼働頻度や使用電力量に関わらず、電力機器の容量の最大値によって契約容量が決まるため、以下のようなケースで適した契約方法となります。

  • 24時間体制で全ての電力機器がフル稼働(長時間稼働)状態となる
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例を用いて低圧電力の契約容量を計算してみよう

例を用いて低圧電力の契約容量を計算してみよう

続いて、低圧電力(動力プラン)の主開閉器契約と負荷設備契約のそれぞれにおける、契約電力・契約容量の具体的な計算方法を見ていきましょう。

主開閉器契約(ブレーカー)の計算例

主開閉器契約の契約電力を求めるには、まず以下の計算方法で契約容量を計算します。

契約主開閉器の定格電流(A)×電圧(V)

定格電流値が50Aで電圧が200Vの場合は、50A×200V=10kVA(10,000VA)になるということです。

また低圧電力(動力プラン)は三相交流のため、契約電力(kW)を求める場合は契約容量(kVA)に√3(≒1.732)をかける必要があります。

先ほどの例で計算すると、50A×200V×1.732≒17kWとなり、低圧電力プランの契約電力は17kWになるということです。

負荷設備契約の計算例

負荷設備契約の契約電力は電力機器ごとに計算が必要となり、以下の3ステップで計算を行っていきます。

ここでは、以下の電力機器を使用していると想定して計算方法を見ていきましょう。

出力6.5kW モーター 2台
出力5.5kW ヒーター 1台

ステップ①入力換算

まずは以下の換算率を用いて、出力容量を入力容量に換算します。

モーター(馬力) 93.3%
モーター(kW) 125%
ヒーター 100%

出力6.5kWのモーターが2台、出力5.5kWのヒーターが1台と仮定した場合の入力換算後の契約容量は以下の通りです。

  • 6.500W×125%=8,125W ×2
  • 5,500W×100%=5,500W

ステップ②台数圧縮

続いて、電力機器の入力容量が大きいものから順に以下の係数を乗じ、その後全ての値を合計します。

最初の2台の入力につき 100%
次の2台の入力につき 95%
上記以外のものの入力につき 90%

今回の例で計算した場合の台数圧縮後の契約容量は以下の通りです。

  • 8,125W×100%=8,125W ×2
  • 5,500W×95%=5,225W
  • 8,125W+8,125W+5,225W=21,475W

容量圧縮

最後に、台数圧縮後の値に以下の係数を乗じて得た値が契約電力となります。

最初の6kWにつき 100%
次の14kWにつき 90%
次の30kWにつき 80%
50kWをこえる部分につき 70%

今回の例で計算した場合の容量圧縮後の契約電圧は以下の通りです。

  • 6kW×100%=6kW
  • 14kW×90%=12.6kW
  • 1,475kW(=21.475kW-6kW-14kW)×80%=1.18kW
  • 6kW+12.6kW+1.18kW=19.78kW

小数点以下第一で四捨五入となるため、低圧電力プランの契約電力は20kWになるということです。

主開閉器契約と負荷設備契約における電気料金計算の違い

主開閉器契約と負荷設備契約における電気料金計算の違い

低圧電力(動力プラン)の基本料金は、<基本料金の単価×契約容量(kW)>で計算されます。

例えば、東京電力の低圧電力(動力プラン)の基本料金単価は1065円90銭であるため、先ほどの例で基本料金を計算するとそれぞれ以下のようになります。

  • 主開閉器契約:17kW×1065円90銭=18,120円30銭
  • 負荷設備契約:20kW×1065円90銭=21,318円00銭

つまり、今回の例では主開閉器契約を選択した方が低圧電力プランの電気料金を安く抑えられるということです。

ただし、必ずしも主開閉器契約の方が安くなるというわけではなく、冒頭でお伝えしたように、電力機器の稼働状況によって適した契約方法は異なります。

低圧電力(動力プラン)を契約する際は、それぞれの方法で契約電力・契約容量を算定し、自社に適した契約方法を選ぶことが大切です。

まとめ

まとめ

  • 低圧電力(動力プラン)の契約容量の決め方には、「主開閉器契約(ブレーカー)」と「負荷設備契約」の2種類がある
  • 24時間体制で全ての電力機器がフル稼働(長時間稼働)状態となる場合は負荷設備契約、そうでない場合は主開閉器契約の方が電気料金を抑えやすい
  • 店舗・工場の電力使用実態に合わせて適切な低圧電力(動力プラン)を契約することが大切

株式会社ミナオスでは、電力の使用状況に合わせた適切な電力プランのご提案を行っています。

「低圧電力プランの電気料金が高い」「今の契約方法で正しいのか分からない」といった悩みをお持ちの企業様は、ぜひ一度株式会社ミナオスへご相談ください。

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